2015年03月02日

事業承継期にやるべきこと

こんばんは。
後継経営・事業承継の軍師、笠井智美です。

大塚家具の記者会見や、様々な報道をみて、
企業理念(企業の自己概念)と事業承継期という切り口から書いてみました。


せっかく親子として、この世にご縁を頂いているのに、
事業があるために、会社があるために、
一族の関係性が取り返しのつかないことになっていく。

本当に残念なことです。
会長と社長は、昔はとても仲のいい父と娘だったそうですね。

家族の憩いの場である家、
人が育ち、互いに支え合う空間であるはずの家。

そこに置かれ、家族に使われる家具を扱う企業の存在理由は、
一体なんだったのでしょうか?

大塚家具のHPを見ると、そこには、
こんな企業理念が書かれていました。

【「お客様に喜んでいただき、社員に喜んでもらい、
結果として会社が繁栄する」です。
すべての社員がこの理念の実現に向けて日々取り組んでいます。】

あー・・・・・。(^^:)
この一連の顛末、この理念を見れば、
分かるような気がします。

企業理念は、企業のアイデンティティです。
その企業が、世の中に存在する理由です。

そうみてみると、
「結果として」とは書いてあるけれど、
「会社が繁栄する」、
つまり、利他よりも、自利の会社という印象です。

もしかして、創業から変えていない理念なのかな?
いかにも右肩上がりの20世紀の匂いがプンプンする、
そして絵に描いた餅になっていたかもしれません。

もちろん、会見全編の切り取られた一部が報道されているでしょう。
マスコミが、答えを誘導するような質問をしているかもしれません。

そんな前提があったとしても、
記者会見での会長の発言には、
「悪い子どもを作った。」「社員は自分の子どもなんです。」などと、
家と会社を混同されている発言が、公に向かってなされています。

会社と自分が一緒くたになりやすい創業者の、
「個」に基づいた言動、「個」に基づいた経営介入。

もしかしたら、事業形態が変わることが、
自分の存在・自分の命を否定させることに等しいぐらいの、
本能的な反応や情動が起きているのかもしれません。

そして、手放せない過去の成功体験。

これらが、現状把握の目を曇らせ、
事業ドメインの見直しを阻害しているのかもしれません。

もし、現状認識をする大元の、物事の捉え方に、
機能しないバイアスがかかっているとすれば、
これまでのビジネスモデルが崩壊して、
今までのやり方がすでに通用しなくなっている中、
自社の生き残りをかけた事業戦略を練るうえで、
致命的と言っても過言ではありません。

創業者の思いで動いていた会社が、
創業者の成長と共に、大きくなってきた会社が、
本当の意味で「公器」としての会社になるとすれば、
それは2代目以降にかかってきます。

事業承継期に、
後継者は継ぐ会社の「不易なる価値」を見出し、
「世の中や時代や人の意識が変化していく中で、
どんな価値を生み出すために、何を継承し、
何を手放すのか?」という事を明確にすることに、
取り組んだのでしょうか?

力のある創業者への求心力ではなく、
新たな求心力となる
企業理念(コーポレートアイデンティティ・企業の自己概念)を、
しっかりと創って、
何を目指すのかを社員に示すことができたのでしょうか?

その企業理念から、顧客を選び、顧客への提供価値を考え、
どのように提供するかを考え、
自社が勝ち戦のできる土俵を、設定し直すことは出来たのでしょうか?

そして、これまで君臨していた創業者が、
自分の存在価値を失うような感覚に陥り、
握りしめて放さないものがあるかもしれないと、
予測することはできたのでしょうか?

そのことも踏まえ、会長のキャリア(人生)、
会長派になった長男の心の動きやキャリア(人生)を考えることは、
あったのでしょうか?

そもそも、後継者は事業承継の本質を知っていたでしょうか?
事業承継期に後継者としてやるべきことが、観えていたでしょうか?

事業承継期の動きを誤れば、
社員の誇りを奪い、お客様からの信頼を失い、
家族・一族の絆も失うことにもなりかねません。
後継者自身の人生も翻弄されます。

ビジネスだけでなく、多くの人の人生に影響を与えてしまうのが、
オーナー経営の事業承継なのです。

だからこそ、継ぐ前の後継者の動きが、大きな意味を持ちます。

事業承継期が、不幸の連鎖の始まりにならないよう、
後継者が、幸福の源泉になれるよう、
事業承継の本質を伝えることや後継者の育成、
そして、リーダーの限界が組織の限界にならないよう、
後継者のリーダーシップ開発が重要だと、
この報道を見て、改めて思いました。

http://blogos.com/article/106615/


ラベル:事業承継
posted by tomomi at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 後継者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大河ドラマ「花燃ゆ」に観る、志と学びの関係

こんにちは、
軍師認定1級コンサルタント・コーチの笠井智美です。
ついこの間、お正月が終わったばかりと思っていたら、
いつの間にか、もう3月。光陰矢のごとしですね(^^:)

 昨日の大河ドラマ「花燃ゆ」をみて印象に残ったのは、
由緒ある武士の家系に生まれた高杉晋作が、
吉田松陰との出会いを通じて、変っていくところ。

「生きてるのがつまらん」
と自暴自棄な悶々とした生活を送ってきた高杉晋作が、
吉田松陰との出会いをきっかけに、
後に、長州藩を尊皇攘夷へと方向付け、
歴史に名を遺す人物になっていくんですよね。

それは、松陰の在り方が高杉晋作に響き、
高杉晋作自身が松下村塾で学ぶことを選んだからです。

「なぜ学ぶのか?
この世の中に、己がすべきことを知るために学ぶのです。」
(松陰の親友、小田村伊之助が1回目の放送で言っていた言葉。)

人は、視野が広がり、周りや未来への影響などが見え始めると、
思考や行動が変わってきます。

見えないもの、観えないもの、感じられないものに対して、
何も起こしようがありませんよね。

決意も覚悟もしようがないのです。

なぜなら、観えていないことは、
「その人の世界」にとっては、無いのと一緒だから。

目の前のこと、周りのこと、会社のこと、世の中のこと・・・
様々な角度から知るからこそ、見たからこそ、
自分のやるべきことが観えてくる。

頭で知っていること、知ったつもりになっていること、
そして実際何が起きているんだろう?

過去からの知識だけではなく、
現実への観察と探究、未来への想像も含めてこそ学び。

この学びがあってこそ、
自分にとっての「真の志」が持てるのかもしれません。

「志は誰も与えてはくれません。
君自身がそれを見つけて掲げるしかない。
君は、何を志しますか?」(吉田松陰の言葉)

私にとって、心にしみる言葉です。

仮決定の志に向かって動き、
現実に触れ、自分の志を確認しながら、進んでいこう。
posted by tomomi at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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